デューデリジェンスとは

 デューデリジェンスとは、企業を買収する前になされる、買収の対象となった会社への調査です。
 このうち、会計士が実施するのは、財務についてのデューデリジェンスと、税務についてのデューデリジェンスです。
 財務デューデリジェンスは、買収の対象となった会社の資産・負債と収益力の実態を調査します。
 不良債権や不良在庫がないか、決算書に載っていない債務がないか、各期の損益計算書に異常な内容が含まれていないか、などを調査します。
 税務デューデリジェンスは、買収の対象となった会社に、今後、追徴課税されるリスクがないかどうかを調査します。
 税務申告書の閲覧や顧問税理士へのヒアリングにより、過小申告や源泉徴収漏れがないか、などを確認します。

弊所のデューデリジェンスの実績・経験

買収対象会社の概要弊所の業務内容
繊維製品小売業
東京都
売上高10億
純資産額2億
財務・税務デューデリジェンス
買手側アドバイザー
繊維製品卸売業
東京都
売上高22億
純資産額4億
財務・税務デューデリジェンス
買手側アドバイザー
関連庶務
(仲介会社・仲介金融機関不在案件)
メッキ加工業
三重県
売上高2億
純資産額2億
財務・税務デューデリジェンス
(買手企業の顧問会計事務所様と共同実施)
繊維製品卸売業
東京都
売上高7億
純資産額7億
財務・税務デューデリジェンス
買収後の買収対象企業の定款変更(取締役会、監査役の設置等)
縫製業
新潟県
売上高3億
純資産額1億
財務・税務デューデリジェンス
(仲介会社・仲介金融機関不在案件)
染色業
愛知県
売上高7億
純資産額2億
財務・税務デューデリジェンス(事業譲渡対象資産のみ)
買手側アドバイザー(法律事務所と共同実施)
紡績業
鳥取県
売上高1億
純資産額1億
財務・税務デューデリジェンス
買手側アドバイザー
(仲介会社・仲介金融機関不在案件)
雑貨製品卸売・ウェブ販売業
東京都
売上高4億
純資産額1億
財務・税務デューデリジェンス
買収後の買収対象企業の定款変更(取締役会、監査役の設置等)
繊維製品販売業
愛知県
売上高15億
純資産額6億
財務・税務デューデリジェンス
買手側アドバイザー(法律事務所と共同実施)
買収後の買収対象企業の定款変更(取締役会、監査役の設置等)
繊維製品小売業
愛知県
売上高8億
純資産額6億
財務・税務デューデリジェンス
繊維製品卸売業
東京都
売上高22億
純資産額4億
財務・税務デューデリジェンス
買手側アドバイザー
関連庶務
(仲介会社・仲介金融機関不在案件)
語学学校
愛知県
売上高2億
純資産額1億
財務・税務デューデリジェンス
繊維製品小売業
愛知県
売上高50億
純資産額4億
財務・税務デューデリジェンス
買手側アドバイザー(法律事務所と共同実施)
買収後の買収対象企業の定款変更(取締役会、監査役の設置等)
配線工事業
愛知県
売上高3億
純資産額1億
財務・税務デューデリジェンス
買手側アドバイザー(法律事務所と共同実施)

中小企業のM&Aの各ステップ

売手と買手の面談

  仲介会社を間に入れて、売主(買収の対象となった会社の株主)と買主が面談をします。
 あるいは、売主と買主が直接コンタクトし、仲介会社なく話が進んで行くケースもあります。

基本合意締結

 買収価格(仮価格)、株式と代金の受渡予定日、現役員の今後の処遇、買主への独占交渉権の付与、相互の守秘義務などを合意します。

デューデリジェンス実施

 財務、税務、法務、労務デューデリジェンスを実施します。
 法務・労務デューデリジェンスでは、法律事務所などが行います。
 売主が本当に株主かどうか、取引先との間に不当な契約を結んでいないか、人事・労務面で問題が無いかなどを調査します。
 案件によっては、法務・労務デューデリジェンスを省略するケースもあります。

株式売買契約締結

 デューデリジェンスで見つかった問題点を踏まえ、買収価格その他諸条件の最終交渉を行います。
 その後に、株式売買契約書が結ばれます。
 株式売買契約書では、各種の表明保証条項と違反時の賠償責任、その時効期間についても定められます。
 例えば、売主が「当社には決算書に載っているもの以外に債務は存在しない」と保証し、その後2年以内にこのような債務が判明した場合には、売主は買主に対して債務額分の損害賠償を行う、との定めがなされます。

クロージング(株式・代金の受渡)

 売主と買主の立会のもと、株式譲渡書類の授受と代金の振込がなされます。
 (立会を省略するケースもあります。)

中小企業M&Aのデューデリジェンスで求められるもの

短時間で穏やかに

 通常、M&Aの実施は、デューデリジェンスの段階では、買収の対象となった会社の社員には知らされていません。
 この段階で、専門家が買収の対象となった会社に長期間訪問し、調査を行えば、その社員に色々な疑いを持たれます。
 そこで、買収の対象となった会社から、短時間で現地調査を終えるよう要望が出ます。
 もちろん、大きな懸念事項がある場合には長期間の調査を受け入れてもらう必要があり、レンタル会議室等で調査を行うといった対応も必要です。
 しかし、そうでない場合には、売主側の意向を尊重し、2日から3日で現地調査を終えるケースが多いかと思います。
 このような短時間の中で十分な調査を行うことが求められます。 

 また、デューデリジェンスは、それを受ける側に大きなストレスを与えます。
 調査への対応は買収の対象となった会社の役員や幹部が行ないますが、調査する側の言動によっては、反感を持たれてしまうケースもあります。
 このことで感情的なしこりが生じ、M&Aの成否やM&A後の人間関係に悪影響が生じるのでは本末転倒です。
 よって、穏やかに、友好的に、調査を行うことが求められます。 

 そして、これらの一方で、当然ながら、調査すべきことを漏れなく調査してくる必要があります。

スピード感を合わせる

 「鉄は熱いうちに打て」
  中小企業のM&Aではプレイヤーの皆がそう考えています。
  売主は買主の熱意が冷めないうちに、買主は売主の気持ちが変わらないうちに・・・・・
  仲介会社や仲介金融機関は、少しでも早く案件を成約させたい。
  そして買収の対象となった会社が大企業でなく、中小規模であるが故に、スピーディーな展開ができてしまうことが中小企業のM&Aの特徴です。
  デューデリジェンスの実施や前後アドバイザリー業務の提供は、このスピード感に合わせたものでなければなりません。

買収価格とデューデリジェンス費用とのバランス

 中小企業M&Aにおける買収価格は、小さければ数千万円、大きくても数億円程度が多いのではないかと思います。
 このような買収価格に対して、デューデリジェンスの費用が1千万円、2千万円というのは、ナンセンスなように思います。
 もちろん、大きな懸念事項が存在し入念な調査が必要である、在外子会社があり海外での調査が必要であるといったケースでは、費用が高額となっても仕方ないかもしれません。
 しかしながら、通常の中小企業に対するデューデリジェンスでは、その費用は数百万円が妥当ではないかと思います。

弊所のデューデリジェンスの特色

代表会計士による完全直接対応

 実務20年の経験を持ち、中小企業への対応経験も豊富な代表会計士が直接現場で調査を行い、買収の対象となった会社や買手企業(お客様)とのやりとりも直接行います。スタッフ任せには致しません。

リスクが懸念される項目を重点的に

 事前の入念な資料の確認や分析を通じてリスクがありそうな項目を特定し、徹底的に調査します。
 例えば、在庫が多く、販売見込みのない在庫があるのではと危惧されるケースでは、在庫関連データをエクセルで加工し、滞留アイテムの特定や年齢別、回転率別の在庫金額の集計を行っています。

コツコツ地道に

 手間は掛かりますが、実施が安心に繋がる事項があります。
 例えば、売掛金の回収状況のチェック。弊社では、原則として、調査の基準となった日の売掛金全件について、その後の入金を確認するようにしています。
 また、直前36ヶ月分の月次決算を確認し、各月の数値に変動があれば、背景を確認しています。
 お客様に安心して頂くために、地道な積み重ねを怠りません。

スピーディーな対応、納期

 弊所はスポット業務の割合が高く、他事務所と比べ、個人の確定申告業務や3月決算会社の決算・税務申告業務のウェイトは少なくなっています。
 よって、他事務所と比べ、柔軟な日程調整を行うことができ、スピード感のある対応、納期の設定が可能です。

豊富な周辺知識

 諸事情によりM&Aに先立って組織再編をする、あるいは、株式の譲渡でなく事業譲渡の形を採ることもあるかと思います。
 弊所は組織再編や事業譲渡の経験も豊富ですので、すみやかにスキームを把握し、その問題点を指摘することが可能です。
 また、M&Aの基本合意書や株式売買契約書の作成やレヴュー、修正案提示の経験も豊富です。
 最終的な株式売買契約書での落とし所を想定しながら、デューデリジェンスを進めてまいります。

充実したレポート内容

 下記を記載したレポートを、現地調査より10日以内に提出致します。 

  • 調査結果を反映させた修正貸借対照、修正損益計算書および修正事項の内容
  • 比較貸借対照表、比較損益計算書(直前3期分、主要な増減の原因説明を含む)
  • 月次損益の推移(直前3期分、主要な増減の原因説明を含む)
  • 勘定科目の内訳(直前3期分、主要な増減の原因説明を含む)
  • 実施した各調査手続の概要
  • 想定される税務リスクの内容
  • 対象会社に固有の記載事項


 レポートは50ページ前後となることが多いです。
 また、ご要望に応じたレポート内容とすることも可能です。

リーズナブルな費用(価格)設定

 買収の対象となった会社の事業内容や調査内容によりますが、事前に大きな懸念事項がない限り、弊所デューデリジェンスの費用は150万円前後とさせて頂くケースが多いです。
 費用の見積は、事前にお客様と十分打ち合わせの上、実施する調査手続のリストを作成し、これに基づき必要と見込まれる時間をベースに行います。
 実施する調査手続のリストは見積書ないし契約書に添付しております。
 リーズナブルな価格で高品質の業務を提供できるよう、日々研鑽に励んでおります。

中途解約

 一旦弊所にデューデリジェンスを依頼したがしっくりこない、あるいは弊所に依頼後にM&Aを中止することになった、といったケースもあるかと思います。
 こちらにつきましては、弊所とのデューデリジェンスについてのご契約は、理由を問わず、次の期間であれば中途解約が可能となっております。

  • 現地調査の着手前まで:いつでも解約可能です。お客様に費用のご負担はございません。
  • 現地調査着手後、調査報告書(ドラフト)提出前まで:デューデリジェンスの費用(見積金額)の10%をご負担頂くことにより解約可能です。

買手企業の顧問会計事務所様との共同実施

 買手企業の会計事務所様にとって、M&Aはビックイベントです。
 適切なアドバイスを行い、その存在感を買手企業にアピールしたいところかと思います。
 また、買収の対象となった会社の税務顧問契約を獲得するチャンスでもあります。
 よって、M&Aに大きく関与し、理想的には、買手企業の会計事務所様がデューデリジェンスも実施することがベストかと思います。

 しかしながら、他の業務との関係で時間を割けない、経験が少ない等の理由から、会計事務所様による実施が難しい場合も多いかと思います。
 このような場合には、会計事務所様と弊所とで共同してデューデリジェンスを実施する、あるいは会計事務所様からのアウトソーシングという形で弊所がデューデリジェンスを実施することが可能です。
 例えば、次のような形態での実施が想定されます。 

  • 財務デューデリジェンスは弊所、税務デューデリジェンスは会計事務所様という役割分担にて実施するケース
  • 会計事務所様に方向性を提示頂き、弊所が業務の概ね全てを実施し、結果をレヴューして頂くケース
  • レポーティングのみを弊所で行わせて頂くケース


 その他にも柔軟な対応をさせて頂きますので、お気軽にご連絡頂けますと幸いです。
 なお、弊所から会計事務所様のクライアントへのアプローチ等は一切行いませんので、御安心下さい。

無料相談

 M&A・デューデリジェンスについての初回相談は無料となります。
 まずはお電話またはお問い合わせフォームよりご連絡下さい。
 ご希望の方法(電話、メール、ZOOM等のビデオ会議、ご来所、ご訪問)によりご対応させて頂きます。