非上場会社の従業員持株会に対し、専門性の高いコンサルティングを多数行ってきました。
持株会の設立、制度設計、持株会内での需要(買い)と供給(売り)のアンバランスを正すための提案、将来の需要(買い)と供給(売り)のバランスや拠出金残高のシミュレーション、持株会規約の作成、配当再投資の廃止、自主運営・独自管理ソフト導入のサポート等、幅広く対応いたします。
弊所の実績
「供給(売り)が多すぎて、拠出金が足りない」持株会へのコンサルティング
【背景】
若手が入会せず、会員が50代に偏っています。
今後、数年のうちに50代の主要な会員が定年退職し、株が多数売り出されますが、これを買い取る拠出金が足りません。
よって、近い将来、持株会が破綻するかもしれません。
【弊所コンサルティング】
・若手への入会キャンペーンの提案
キャンペーン期間中入会の20代・30代への特別奨励金支給
入社後2年内入会者への特別奨励金支給
月例拠出・賞与への奨励金支給の見直し
・年代毎の持株数の偏りをなくす提案
持株数の上限制の導入
月例拠出限度額の引き下げ
・提案実施から10年間の各会員の拠出金額、奨励金額、配当再投資額、持株数、繰越残金、退会精算額のシミュレーション(複数の制度設計 × 複数の入会率 にて多数実施)
・新入会員の投資利益のモデルケース計算
・持株会解散のメリット・デメリットの検討
・持株会規約改定案作成
・役員向け説明資料のチェック
・法務(金商法、会社法、民法等)・税務相談対応
「需要(買い)が多すぎて、株が足りない」持株会へのコンサルティング
【背景】
一部の会員が多額の拠出をし、株を独占しています。
高配当が再投資されることで、更にこの傾向が強まっています。
(多く株を持つ会員には多く配当され、これが再投資され、多くの株が取得される循環)
よって、株が売り出されても、他の会員はほとんど株を買えません。
会社への貢献度に応じて、また、若手にもある程度は、株を持たせたいです。
【弊所コンサルティング】
・対策の提案
持株数の上限制(職位別)の導入
上限到達会員の拠出金残高(繰越残金)の払い戻し
配当再投資の廃止
現持株会の解散と新持株会の設立
・提案実施から数年間の各会員の拠出金額、持株数、繰越残金、退会精算額のシミュレーション
・自主運営・独自の事務管理ソフト導入のサポート(詳細は後掲)
・持株会規約改定案作成
・会員向け説明資料のチェック
・法務(金商法、会社法、民法等)・税務相談対応
自主運営・独自の事務管理ソフト導入のサポート
会員数が多数となれば、持株会の事務管理(各会員の持株数、拠出金残高、配当金額、取得株数等の計算、データ管理、各種帳票類の出力等)を証券会社に委託されているかと思います。
しかし、証券会社が事務管理を受託するには、持株会の制度が「持株制度に関するガイドライン(日本証券業協会)」に沿っている必要があります。
そして、同ガイドラインでは、配当再投資が強制されています。
すなわち、証券会社は、配当再投資をしない持株会からは、事務管理を受託できません。
よって、配当再投資を止める際には、事務管理を自社で行うために、自社独自の事務管理ソフトが必要となります。
また、証券会社の事務管理システムは、持株数の上限制等、独自性の強い制度に対応できません。
このような制度の導入時にも、自社独自の事務管理ソフトが必要です。
弊所では、上記のニーズに対し、事務管理ソフトの開発・導入経験のある開発会社を紹介の上、開発会議に参加しました。
また、事務管理の内製化に伴う各種相談に対応しました。
従業員持株会の設立サポート
持株会設立および株式取得のために、以下のサービスを提供しました。
・各種書類(持株会規約・細則、発起人会兼設立総会議事録、設立契約書、入会届出書等)の作成、必要手続のご案内
・持株会株価(変動方式)の算定方法の提案、関連する税務リスクの検討
・持株会制度設計のうち独自色の強い部分について、金商法規制への抵触の有無および税務リスクの検討
継続的なメンテナンス
持株会を健全に持続させるため、定期的に、以下をサービスを提供しています。
・持株会のバランスシートの作成
・持株会の預金残高、資金収支等の監査
・各会員の拠出金額、持株数、繰越残金、退会精算額のシミュレーション(将来10年間)
・需給バランス調整のためのマイナーチェンジ施策の提案、持株会規約改定案作成
各種スポット相談
次のようなご相談について、アドバイスを行いました。
・事業承継・相続税対策としての持株会導入の是非
・外部株主からの放出株の受け皿としての活用の是非
・オーナーから持株会への株式売り出しに伴う有価証券届出書・報告書の提出義務の有無
・拠出金不足時の持株会への資金貸付の是非
・奨励金・特別奨励金の社会保険上の取り扱い
主なコンサルティング実績
【クライアント概要】 | 【主なコンサルティング内容】 |
A社 売上(単体)1800億 従業員数(単体)500名 継続関与 | ・持株会株価の変動方式から固定方式への変更に関する諸検討 ・需給バランス調整のための諸施策の提案 (配当再投資の廃止、月例拠出上限変更、特別奨励金付与、新株発行等) ・オーナー一族、外部株主からの自社株の受け皿としての活用の検討 ・若手従業員へ十分に株式を供給するための持株数の上限制の提案 ・制度改正実施のための各種アドバイス、持株会規約改正案の作成、関連する法務税務相談対応 |
B社 売上(単体)300億 (グループ)600億 従業員(単体)300名 (グループ)1000名 スポット関与 | ・高齢会員への株式偏在を是正するための施策の提案 (配当再投資の廃止、持株数の上限制の導入、高齢会員の残金の返還、持株会解散と新設の検討) ・配当再投資の廃止に伴う事務処理の内製化についてのアドバイス、ソフトウェア開発の監修 ・制度改正実施のための各種アドバイス、持株会規約改正案の作成、関連する法務税務相談対応 |
C社 売上高(単体)300億 従業員(単体)300名 スポット関与→継続関与 | ・高齢会員の定年退職および若手会員不足による資金難を是正するための施策の提案 (奨励金および特別奨励金支給による会員募集、月例拠出上限額の引下げ、持株数の上限制導入等) ・持株会の解散についての諸検討 ・外部株主からの自社株の受け皿としての活用の検討 ・施策導入後10年間の持株会の状況のシミュレーション ・制度改正実施のための各種アドバイス、持株会規約改正案の作成、関連する法務税務相談対応 ・持株会の預金残高、資金収支等の監査 |
D社 売上(グループ)300億 従業員(グループ)150名 スポット関与 | ・高齢会員への株式偏在を是正するための施策の提案 (配当再投資の廃止、持株数の上限制の導入、再雇用者の会員資格廃止等) ・施策導入後10年間の持株会の状況のシミュレーション ・配当再投資の廃止に伴う事務処理の内製化についてのアドバイス ・制度改正実施のための各種アドバイス、持株会規約改正案の作成、関連する法務税務相談対応 |
E社 売上高(単体)400億 従業員(単体)1000名 スポット関与 | ・特定会員への株式偏在を是正するための現持株会の改善策の提案 ・特定会員への株式偏在を是正するための現持株会解散と新持株会設立に関する諸検討(現持株会から受皿会社への株式売却の税務リスク、受皿会社から新持株会への株式供給の税務リスク、現持株会解散について全会員の同意を得られなかった場合の法務リスク、受皿会社が自社の会社法上の子会社に該当するか否かの等の検討) ・新持株会の制度設計の提案(持株会株価、月例・賞与時拠出上限、持株数の上限制、配当再投資廃止等) ・新持株会設立後15年間の各会員の拠出金額、奨励金額、持株数、繰越残金、退会精算額のシミュレーション (持株会株価を複数想定して実施) ・受皿会社から新持株会への株式供給スケジュールの作成 (有価証券届出書の提出を要しない範囲で最大数を最短で供給) ・配当再投資をしないことで自社に必要となる事務処理の検討 |
F社 従業員(グループ)3000名 スポット関与 | グループ各社(60社程度)の役員・従業員を会員とし、持株会株価はグループ自己資本総額と連動する変動型とし、会員に随時の株式売却を認める、売却益中心の持株会の導入に関する以下の業務 ・持株会外部の株式の一時的受皿(法人・個人)の検討 ・持株会株価の計算ルールの検討・提案(時価評価・簿価評価のいずれを採用するか、買収暖簾の取り扱い等) ・グループ持株会規約、細則の作成(関連諸事項の検討も含む) ・金融商品取引法の観点からの制度設計についてのアドバイス |
近年のコンサルティング実績につきましては、コンサルティング実績のご案内もご参照下さい。
著書紹介
非上場会社の事業承継における安定株主活用の法務・税務(税務経理協会)
従業員・役員持株会を非上場会社における安定株主の一つと位置付け、その導入から維持管理・解消までの実務を、判例等を多く盛り込み解説しています。
持株会についてのコラム
非上場会社の従業員持株会 - 他の株主から既発行株式を取得するための臨時拠出金への奨励金を支給できるか?
従業員持株会に加入できるグループ会社の範囲(孫会社、関連会社等)
非上場会社の従業員持株会 - モチベーションを高める制度設計
非上場会社の従業員持株会の解散(廃止) - 自己株式取得とみなし配当
非上場会社の従業員持株会の解散(廃止)- 退会者に対する会社の株式代金支払義務
非上場会社の従業員持株会 - 有価証券報告書提出義務、配当再投資、一人株主
非上場会社の従業員持株会 - 持株会による借入とパススルー課税
非上場会社の従業員持株会の解散(廃止)- 多数決による持株会解散の可否
非上場会社の従業員持株会の解散(廃止) - 借入金のある持株会の解散、自己株式取得とみなし配当
非上場会社の持株会のメリット
創業家の持つ自社株を減らし相続税を節税
通常、従業員・役員持株会は創業家の意向に沿った議決権行使をします。
そこで、創業家の自社株の一部を従業員・役員持株会に売却します。
これにより、創業家は自社への実質的な支配力を維持しつつ、相続財産である自社株を減らし、相続税を抑えます。
個人に直接自社株を持たせるリスクの克服
従業員個人に直接自社株を持たせると、その退職・死亡時に自社株を買い戻せず、自社株が会社と無関係の者に渡るリスクがあります。
一方、持株会では、規約で定めることで、退職・死亡により退会した会員から、自社株を強制的に買い取れます。
従業員への福利厚生、共同体意識の形成
奨励金や配当金は、従業員への福利厚生となります。
また、従業員が自社株を保有し、毎年配当を得ることで、従業員に経営参画意識、共同体意識が生まれます。
非上場会社の持株会のデメリット
需要(買い)と供給(売り)の調整が必要
株が高齢会員や特定会員に偏在している、若手が株を買えない、退会者の持株の買い取り資金が足らない、会員数の減少が続き持株会の持続が困難等の問題が生じえます。
これを防ぐためには、需要(買い)と供給(売り)を見極め、バランスを取るための制度改正が不可欠です。
創業家の配当収入の減少
創業家の持つ自社株が減るため、その配当収入も減少します。
1株当たり配当を増やし、創業家の配当収入を維持することもできますが、その分だけ自社の配当負担が増加します。
特定の役員・従業員を優遇できない
持株会は公平な制度設計が求められ、特定の従業員だけを入会させることはできません。
また、各会員の拠出金残高に比例させずに、特定の会員だけに株を多く取得させることもできません。
導入・運営に伴う費用
奨励金、事務管理費用、担当者の人件費等が生じます。
無料相談
従業員持株会についての初回相談は無料となります。
まずはお電話またはお問い合わせフォームよりご連絡下さい。
ご希望の方法(電話、メール、ZOOM等のビデオ会議、ご来所、ご訪問)によりご対応させて頂きます。
弊所とのご契約について
弊所との契約は、お客様都合でいつでも解約や一時休止が可能です。
例えば、弊所を1ヶ月間使ってみたが気が変わった、満足できなかった等の場合、即座に契約を解約できます。
解約時には、スポット契約の場合、所定の費用(これまでの業務の進捗率 × 報酬総額 × 50%)をご負担頂きます。
月額報酬契約の場合には、翌月から月額報酬は生じません。